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競売による不動産売却の基本と回避方法

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競売とは

民事執行法に基づき行われる不動産売却が競売です。

債権者が債権の回収を目的とし、裁判所に競売申立てをすることで、裁判所が主体となり売却手続きを行います。法に則って裁判所の権限のもと売却手続きを進行するため、強制力があるものと覚えておきましょう。

債権者が競売申立てをするケースは、大きく分けて2つあります。

一つが固定資産税や保険料などの税金の滞納です。二つ目が住宅ローン滞納によるものです。

今回は、住宅ローン滞納に伴い競売申立てが行われた場合、どのような流れで手続きが進むのかについて確認しておきましょう。

住宅ローンを滞納する前にできることを見る

住宅ローン滞納から競売開始までの期間や流れ

ここからは、住宅ローンを滞納してしまった場合について、最初の段階から説明します。

既に滞納してしまっている人は、自分の今の状況に置き換えて考えてみましょう。

督促状が届いたときの対処法について見る

滞納1~6ヶ月目:銀行からの督促

住宅ローンを滞納してしまうと借入先の銀行から督促状が届きます。滞納の場合、月々の返済額に遅延損害金利率を乗じた額を銀行の指定口座へ振込む必要があります。これまで問題なく返済できていた人に対する1回目の督促は、引落先預金口座の入金残高不足の可能性も考えられることから、確認の意味も込めて電話等による連絡が入る場合もあります。ただし、滞納が数ヶ月間続くと、銀行側の督促もより激しくなります。

滞納状況が改善されない場合、法的手段を取るために欠かせない内容証明郵便による督促状の発送や期限の利益喪失・代位弁済の予告通知が送られることとなります。

滞納5~6ヶ月目:期限の利益喪失

滞納状況の改善が見られず、5~6ヶ月間の返済が滞った場合には、借入先である銀行から期限の利益の喪失通知・催告書が届きます。この時点で、住宅ローンの残債を一括支払うよう請求されることとなります。

本来、住宅ローンは契約に基づき、分割での支払いが認められているものです。しかし、返済が滞り契約違反となると、法律で定められた『期限の利益の喪失』に則り、分割返済の権利を失うこととなります。そのため、この通知が手元に届いてしまうと、住宅ローンの残債を一括で支払うか、不動産を手放すかを選択せざるを得ない状況に陥るということです。

期限の利益の喪失通知の基本と対処法について見る

滞納6~7ヶ月目:代位弁済

住宅ローン一括払いの期日に全額の支払いができないと、代位弁済が行われます。

代位弁済とは、銀行が債務者に貸したお金を住宅ローン保証会社が代わりに支払うことをいいます。簡単にいうと、銀行が保有していた債権が代位弁済をした保証会社の保有と変更になるということです。そのため、あくまでも債権者が変わっただけで、返済できていない住宅ローンの債務がなくなるわけではありません。

代位弁済後も債務に対しての支払い義務は負うため、保証会社には一括で返済するよう求められます。

代位弁済通知書が届いた場合のリスクについて見る

滞納8~9ヶ月目:競売開始決定

恐らく代位弁済後に住宅ローン残債を一括払いできる人はいないのではないでしょうか。そうなると、保証会社は代位弁済した債権を回収するため、債務者の不動産を競売にかける手続きを実施します。これが、競売申立てです。

競売申立てから数週間後には、競売開始決定の通知が手元に届くこととなり、ここから競売による売却の準備が進んでいきます。

競売開始から開札までの流れ

では、競売開始から不動産の売却が決定する開札までの流れも確認しておきましょう。

開始決定後1~2ヶ月:現況調査

開札決定後に行われるのが、不動産の現況調査です。

競売の場合は、通常の売却の際の不動産会社による査定と異なり、不動産鑑定士による調査のうえ、不動産の評価額を算出します。現地での調査は、事前に実施日程の通知が発送され、債務者の立会いが求められます。現況調査に応じない場合も、立入りが認められているため、必ず立会いをするようにしましょう。

現況調査後2~3ヶ月:売却基準価額の決定、入札期間の通知

現況調査により算出した評価額をもとに、不動産の売却基準額を決定します。裁判所からは、競売の入札期間や開札期日などが明記された期間開札通知書が届きます。

競売による不動産売却は、通知の期日のとおり進行し、開札期日の前日までに任意売却が成立しない場合は、競売で不動産を手放すこととなります。

入札期間の2~3週間前:インターネット(BIT)に公開

入札期間中は、不動産の情報を誰でも閲覧できるように競売物件情報サイトBITにて公開されます。BITには、現況調査の際に撮影した物件写真や室内写真、物件住所の番地まで掲載されるため、一般の不動産ポータルサイトに比べて詳細な情報まで確認できる点も特徴です。

公開が始まると、買取り業者などが情報をもとに物件周辺の調査をするケースもあり、周辺住民にも知られる可能性が高いでしょう。

期間入札の開始

物件の購入を希望する業者などは、定められた入札期間内に買受けの申出を行います。買受けの申出の際には、入札希望額等を記載した入札書の提出がされます。この価格は、売却基準価格の8割以上という決まりがあります。

原則、誰でも入札が可能とされていますが、当然ながら債務者本人が買受けの申込をすることは認められません。

開札期日

入札期間が終わると、数日後に開札期日が訪れます。

開札期日当日に裁判所売却場にて入札者の立会いのもと開札を行います。。競売は、みなさんも馴染みのあるオークションをイメージしてもらえればわかりやすいかもしれません。期間内に入札した者の中で最も高い入札価格を提示した人が、その不動産を落札することとなります

競売を回避するためには任意売却

ここまで、競売による不動産売却の流れについてお伝えしました。

競売は、債権者にとっても債権を回収するための最終手段です。どうしたら良いかわからないまま時間だけが経過することだけは避けるべきでしょう。競売を回避するための方法が任意売却です。競売開始決定が届いたからといって、任意売却を諦める必要はありません。

任意売却をするためのポイントについて、改めて確認しておきましょう。

任意売却できる期限

任意売却には期限があります。その期限が、開札期日の前日です。

ここでポイントなのが、開札期日の前日までにどのような状況であれば良いのかという点です。買手が見つかり契約が成立した場合でも、決済が完了しておらず住宅ローンの一括返済ができないと競売取下げとはなりません。開札期日前日ギリギリで競売取下げとなった事例もあるようですが、イレギュラーなケースといえます。

そのため、住宅ローンの支払いが難しい状況になったら、早期タイミングで任意売却等を含む対処方法を検討しておく必要があるといえます。

競売開始決定の「前」に任意売却する場合

競売開始決定前に任意売却をすることを決断した場合、債権者との交渉次第で一定期間の猶予をもらえるケースがあります。債権者側にとっても、任意売却によって債権を回収できるのであれば目的を果たすため、競売にこだわる必要もありません。

ただし、確実に債権を回収できるかという点がポイントとなるので、交渉には根拠となるものを提示すべきといえます。そのため、実際に任意売却を進めるにあたっては、不動産会社や専門家等のサポートを検討すべきでしょう。

競売開始決定の「後」に任意売却する場合

競売開始決定後であっても、任意売却について債権者からの承諾を得ることができれば進めることが可能です。しかし、競売開始決定の通知が到着している状況では、任意売却の承諾を得るだけでは取下げとなることはありません。そのため、競売の流れに沿って手続きが進むことになる点は覚えておきましょう。

競売開始決定後に任意売却する場合は、競売の進行状況に応じてスピード感を持った動きが重要になります。ただ、一般の不動産であっても売買成立までにある程度の期間を要するため、任意売却を扱う買取業者等への相談が適しているかもしれません。

※この記事を書いたのは
宅地建物取引士
山﨑亜希 氏

経歴:第二子出産を機に不動産会社へ転職。不動産賃貸経営管理を中心とした事業を展開する会社にて、賃貸マンションの維持管理をはじめ分譲マンション管理組合の運営サポートなど幅広く経験。2019年より同不動産会社へ勤務しながらライター活動をスタートし現在に至る。
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